真夜中の太陽
「ね、柚羽はなに飲む?」
「生ビール」
そう言うと学生連中がヘンに盛り上がる。
酔っ払いは何を言っても盛り上がるんだ。
運ばれてきたビールを飲みながら、結崎さんに何度となく視線を送る。
久しぶりに会う結崎さん。
何か話したい、そばに行きたい。
だけど、学生連中に両脇をがっちりガードされている、あの輪の中に自分から入ることなんて出来なくて。
こんな状況と、突き進めない自分にイライラして、気付けばジョッキを5本ほど空っぽにしていた。
「はいはいはーい!席移動!」
にぎやかな飲み会の中、諒子が突然立ち上がり、強引に席替えを始めた。