真夜中の太陽
カラオケでの積極的なあたしは姿を消し、車の中では何も言うことができなかった。
「今日は楽しかったね」
重苦しい雰囲気をぶち壊すように結崎さんが口を開く。
「えっ?」
「あぁ、ごめん。何か、落ち込んでるから、少しでも楽しい話題をと思って」
カラオケでの出来事。
あたしにとっては一刻も忘れ去りたい、そして結崎さんに申し訳ないと思った出来事。
それなのにこの人は、楽しかったね、なんて……。
「すみません、あたし、酔っ払って。嫌な思いさせてしまって」
「いや、楽しかったよ」
フッと優しく笑う、その横顔を見て泣きそうになる。