真夜中の太陽
好きだという気持ちで胸がいっぱいになって、
あたしは呼吸をすることさえもままならない状態。
それきり、何も話すこともなくカラオケボックスに着いた。
結崎さんはあたしに車の中で待つように言って、カラオケボックスの中に消えた。
しばらくして出て来た結崎さんは手ぶらで、「なかったよ」と伝えた。
その一言で、一気に青ざめた。
「店に電話してみよう。もしかしたら見つかってるかもしれないし」
泣きそうになるあたしの頭を優しく撫でて結崎さんは言う。
大きくて、暖かい手を全身で感じる。
鍵がないこと、迷惑をかけてしまったこと、結崎さんの頭を撫でる優しさ。
いろんな気持ちが交錯して、あたしはとうとう泣いてしまった。
「泣くなって」
結崎さんは撫でる手を止めず、もう片方の手で携帯の番号を押し、店に電話した。