真夜中の太陽
そして、たった二度しか顔を合わせたことのないバイト仲間でもあるあたしに対する気遣い。
どうしてこの人は、こんなにも優しいんだろう。
「……分かりました。ここを真っ直ぐ行って、最初の信号を右に曲がってください」
「了解」
観念したあたしを見て結崎さんは笑い、再び車を走らせた。
実家に着くと、鍵を失くしたことと結崎さんを巻き込んでしまったことでお母さんにこ
っぴどく怒られた。
一緒に家の中まで付いてきてくれた結崎さんは、あの優しい笑顔でお母さんをなだめてくれた。
「着いたら起こすから、少し眠った方がいいよ」
帰り道。
翌日のあたしの授業を気にして結崎さんは仮眠を取ることを勧め、あたしは素直にそれに従った。