真夜中の太陽
結崎さんは諒子と同じように、あたしが部屋に入るのを見届けたいと、部屋の前まで送ってくれた。
「……あの、コーヒーでも飲んでいきませんか?」
新聞配達のバイクの音が聞こえる。
そんな時間なのに、あたしは結崎さんを誘った。
このままお礼もせずに帰してしまうのは心苦しかったから……。
「ありがとう。でも、帰るよ。君も早く寝ないと」
その言葉に、今、結崎さんに必要なのは一杯のコーヒーよりも睡眠なのだと気付く。
「そうですね。今日は、本当にすみませんでした。そして、ありがとうございました」
「いえいえ。それじゃ、おやすみ」
「……おやすみなさい」
立ち去る結崎さんの後ろ姿を見送る。