真夜中の太陽
聞きたがっていたことを村岡くんはサラリと言ってのける。
「柚羽ちんって、結崎さんのこと好きだろ?」
いきなり、核心を突く質問。
「そんなわけないでしょうが」
「ダメだぞー、結崎さんは。彼女いるから!」
「……えっ?」
村岡くんの『彼女』発言に耳が敏感に反応し、身体が硬直する。
そりゃ、いてもおかしくないと、思う。結崎さんレベルなら。
だけど、もう結崎さんを好きになってしまったあたしにとって、彼女という存在はあまりにもショックで……。
「前に二人で買い物に来たんだよ。『彼女っすか?』って聞いたら、そうだとは言わなかったけど、笑ってた。ありゃぁ、彼女だな、絶対!どう見ても!」
力説する村岡くんの頭を持っていたホウキの柄でコツンと小突く。
「……ってー!!」
「さっ、仕事するわよ」