真夜中の太陽
「あたしは深夜勤務ばっかりだから、柚羽と一緒のシフトはあんまりないねぇ」
出勤初日のあたしの緊張を解そうと顔を出しに来てくれた諒子が、シフト表をチェックしながら言う。
深夜の勤務希望で入った諒子と、夕方からの勤務希望で入ったあたしのシフトは見事なまでにすれ違いだった。
「でもここのバイト生、うちの大学の子がほとんどだよ。夕方メンバーで違うといえば、結崎さんぐらいかな?」
シフト表に書かれてあるバイト生の名前を辿っていた諒子の指が、一人のバイト生のところでピタリと止まる。
「結崎さん?」
制服に着替え終わったあたしは、シフト表の上で止まったままの諒子の指先をじっと見た。
『結崎 永輝』
今日の18時からシフトに入っているバイト生。
どうせなら女の子の方が良かったなぁ……。
「結崎さんって、どんな人?」
不安そうにあたしが聞くと、待ってましたと言わんばかりに諒子の目が輝いた。