真夜中の太陽

でも、今日で最後なんだ……。

もう二度と会えないかもしれない。



「………」



いつもより長い時間をかけて、制服に着替え終わる。

あたしは、最後だからこそ、たくさん話をしようと心に決めた。



彼女いるって分かったから、もう気持ちを伝えることはしない。

でも、密かにあなたを思うことは、悪いことなんかじゃないよね?



カーテンを開けると、そこには結崎さんの姿はなかった。

先に店に出ていて、引継ぎを受けている。

あたしも急いで店に出て、結崎さんの後ろで引継ぎを受けた。



そして、夕方までの勤務者が店を後にし、二人きりになる。


結崎さんはあの日と同じように黙々と仕事をし、ふと目が合うと同じように優しく微笑んだ。


あの日と違っていたのは、結崎さんの微笑みに赤面して、涙が出そうになる自分自身。

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