真夜中の太陽

――今日で最後……。

結崎さんと離れたくなかった。

ずっとずっと、このまま一緒にいたかった……。



最後だから。

勇気を出して話しかけようとすると、お客さんがレジにやって来る。

しかも、すぐ目の前にある高校が文化祭前日らしく、スナック菓子やジュースを買いに来る高校生が次から次へとやってきた。


あの日はあんなに暇で話そうと思えばいくらでも話せたのに、今日はちょっとしたことでさえも話せないくらい慌しかった。



「お疲れさま」



結崎さんの声で店の入り口を見ると、あたしと入れ替わりでシフトに入る子がやってきた。



―――もう、そんな時間?

最後だったのに、出勤の時に交わしたあの会話で終わり?

< 67 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop