真夜中の太陽

さっき店に入って来たばかりの子は、もう制服に着替えて出てきた。


あたしは引継ぎを終えて、「お疲れ様でした」とバックルームに入り、私服に着替え始めた。


あの日は、ロッカールームから出てくると休憩中の結崎さんがいた。



今日は……―――



深く深呼吸をして仕切られているカーテンを開けるとそこには誰もいなかった。


監視カメラのモニターを見ると、すっかり客足の途絶えた店内で、あたしと入れ替わりで来た子と結崎さんがレジで談笑していた。



―――現実なんて、こんなものだよ。



さっきまで、あんなにバタついていたのに、交替の子が来たのと同時に引いた客足。

今、結崎さんと楽しそうに話をしている姿を見て、羨ましくて仕方なかった。


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