真夜中の太陽

そのやり取りを聞いて青ざめたのはあたしだけじゃなかった。



「オレ、帰るわ」

「わ、私も」



諒子と村岡くんにそそのかされたとはいえ、結崎さんに嘘をついて欠勤した伊織くんと志穂ちゃんは帰り支度を始めた。



「えー?なんで?いいじゃない。あたしから話しとくから」

「いや、いいよ。なっ?」

「うん、帰る!帰らせて!」

「ちょっと待ってよ」



伊織くんと志穂ちゃんは諒子が止めるのも聞かずに足早にアパートを出て行った。



「ホントに呼んじゃったの?」



恐る恐る聞くあたしに、諒子は満面の笑みを浮かべて「うん!」と大きく頷いた。


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