真夜中の太陽
「今日は話す暇もなかったね」
優しい笑顔。
こんなにも優しい笑顔をする男の人ははじめてだった。
「忙しかったから……」
ドキドキしすぎて声が震える。
「柚羽ちゃんとは一緒に入ることが少なかったから、ゆっくり話したかったよ」
たとえ社交辞令だったとしても、今のあたしにとっては涙が出そうなくらい嬉しい言葉だった。
「今まで、お疲れ様でした」
不意にそんな労いの言葉が出る。
「いえいえ」
結崎さんは笑って、ジュースを一口飲んだ。