真夜中の太陽

志穂ちゃんの一件が理由で、その日はなかなか眠れなかった。

いつもは23時には夢の中へと入っていくのに、0時を過ぎても眠れず、ぼんやりとテレビを眺めていた。




―――コン……コン……



遠慮がちに玄関のドアをノックする音。

こんな時間に…。

もしかして諒子かなと、ドアスコープを覗く。



小さな穴から見えたその姿に、あたしは驚き、ドキドキと鼓動を始めた胸を押さえながらドアを勢いよく開けた。


あたしがあまりにも勢いよくドアを開けたものだから、思いがけない訪問者は一瞬ビクッと小さく身体を震わせた。



「ビックリした……」



それは、あたしのセリフだよ。

結崎さん……―――。

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