キミ中毒。



 「ごっそさん。お先に」



健が席を立った。

え・・・

あたしがいろいろ話しをしてる間に、健は朝食をすませちゃったんだ。



あたし、役に立ててないし。
何のために一生懸命しゃべったんだ・・・・?





 「・・・奈津。あんた、行かせていいの??」




あたしは奈津に言った。
奈津は、心ここにあらず、みたいになっていて、あたしの声が耳に届いてないみたい。



 「奈津!!いい加減にしなよッ!!!」



パチーンッ!!



食堂中に、ビンタの音が響いた。
みんなの動きが一瞬とまる。



 「あんたは、たった一回席トナリになれなかったくらいで、いちいちヘコんでんのかょ!?バカ!!みんなが気ぃ使ったの、気付かなかったの!?もっとみんなのキモチ考えなょ!それに、たった一回の失敗で、あきらめてちゃ終わりだろぉが!!」





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