キミ中毒。




 「・・奈津・・・・」



涙を流して、メイクも何もぼろぼろの奈津は、少しだけ、顔をあげた。
ちらりと見えた笑顔は、すごく悲しかった。



 「・・・フラれちゃった・・・・」



笑いたくもないくせに、無理して笑おうとする。



ぎゅ。



抱きしめると、暖かい。
人の体って、こんなに暖かいんだ・・・・。
人の心って、こんなにユウキをくれるんだ・・・。



 「・・っごめん!ごめんね。奈津・・・」



 「ばか、何あやまってんのよ。いずれ告白して、こんなになるんだったんだから。今のうちにフラれといたらあきらめられるでしょ?」



あきらめられないでしょ。



あたしは、そうはいえなかった。



二人とも、同じキモチだったから。





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