キミ中毒。



あっという間に、夜の9時30分。


 「月夜だ・・・」


雲がきれいに晴れて、月がきれいに見えた。


正面玄関に行ってみると、もう、健はあたしを待っていた。
声をかけようとしたけど、声が出ない。


健は、そのうっとりするような容姿を月明かりに浮かばせて、そばにある池の淵を歩いていた。

ドキっと跳ね上がる心臓。


 「け・・・健・・・・」


思わず口からこぼれ出た言葉を、はっと両手でおさえた。


でも、もう遅い。
健は、こっちをさっと見た。




 「ごめん。こんな時間に。実は、言いたいコトがあって・・・・」



健がそういいかけた瞬間。




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