キミ中毒。




自分の口は、意識もなく、勝手に動いていた。



ぽろぽろ・・・・・



目から、しょっぱいものが落ちてくるのが分かった。



悟られたくなくて、頬を服の袖でぬぐう。



 「そっか・・。ごめん。ありがと」



健は、いつもの毒舌を忘れさせるみたいに、優しく、去っていった。
正面玄関のがらがら・・という音を聞き終わって、あたしは、まだ仁くんがいたことを思い出す。




 「・・仁・・・くん」


 「・・・・おぅ」


 「あたしも、仁くんが・・・・・・」



ぎゅっ。




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