キミ中毒。



 「すいません。おくれました?」

中に入って恐る恐る一声かける。

中山・兄は、身を沈めていたソファから立ち上がる。


 「ううん。そんなコトないょ。こっちがキミの部屋ね。スキに使ってもらっておkだから。んで、ご飯は自炊。買いに行くのは、1階で。洗濯も自分らで。分かった?」

あたしの部屋らしい部屋を指差す。


(いや、何でそんなえらそうなのょ・・・)


中山・兄は着替えたらしく、学校の制服から、Tシャツと短パン姿になっている。


 「はい。ありがとうございます」


冷淡にこたえると、指し示された部屋のドアに手をかけた。


ばさッ・・・・。



 「・・・ッ・・中、山さん・・・・」



背後からの中山さんの怪しい吐息に、思わず聞いたこともない声が出た。








< 33 / 134 >

この作品をシェア

pagetop