キミ中毒。



その瞬間、

バターンッ!!


ものすごい音と一緒に、さっきあたしのそばにあったドアが飛んできた。


びっくりして、体制をくずさず固まる。


視線を向けると、
そこには、王子様ならぬ仁くんがいた。



 「・・てめぇ、早々と手ぇ出してんじゃねぇよッ!!」



今まで(といってもそんなに一緒にいなかったけど。)聞いたこともないような声と形相。


怒り狂ったようなその顔を見ると、なんだか安心できた。



(・・?何でほっとしてんの??)


左胸のあたりの鼓動が、どんどんどんどん、早くなっていく。


 「・・どうしようとオレの勝手じゃん。何?王子様気取り?今までこんなことしなかったクセに」


バキッ!!



耳をふさぎたくなるような、殴る音。




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