キミ中毒。



 「・・ッ!!てめぇ、やりやがったなッ」


 「あ゛ぁ!?お前がオレに勝てると思ってるのか?」


仁くんが叫ぶと、中山さんは一瞬ひるんだような顔をしたけど、すぐにこぶしをあげた。


バキッ

ボコォ



まさしくケンカを思わせる効果音。
両手で耳をふさいでも、手の間からもれてくる。


ぎゅっと目をつむって、しばらくがまんした。


声を出そうとするけど、口からはかすれた息しか出てこない。



・・・・・。



しーん。


急に、辺りがしーんとした。
おそるおそる目を開けると、そこには、荒れ果てた部屋の様子と、同様に荒れ果てた中山さんの姿が見えた。




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