キミ中毒。



こっちにかけよってきて、あたしに手を差し伸べた。
少し大きくて、白い手。


ぎゅっ


握ると、微熱があたしの手に伝わってきた。


どくん・・・。




大きく、はっきりと、心臓の鼓動がした。
慣れ親しんだ鼓動から、初めての鼓動に変わった。


 「ぁ、ありがとう・・・・」



 「いいよ。お礼なんてさ。ってか、席、どこ?」


 「あっちだょ。トナリはたしか・・・・」


 「オレだね。よろしく」


窓際に陣取った机のトナリに、そのこは歩いていく。

へ。
そうだっけ?


トナリはたしか・・、楠山ってヤツだったよーな・・・。






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