ショート・ミステリーズ!短編集その2
中村はある話を思い出した。タクシーの運転手がルームミラーを見ると、乗せたはずの客の姿が消えていたという話である。
まさかな…
そう思いつつ、中村はルームミラーを見た。
消えていた。
男の姿が消えていた。
「うわぁっ!」
中村は急ブレーキをかけてしまった。
彼の座っているシートの後ろで、「痛っ」という声が聞こえた。
シートの後ろから、ひょっこりと男が現れた。
「すみません運転手さん…おどかそうと思って、シートの後ろでしゃがんでいたんですよ。ホントにすみません」
まさかな…
そう思いつつ、中村はルームミラーを見た。
消えていた。
男の姿が消えていた。
「うわぁっ!」
中村は急ブレーキをかけてしまった。
彼の座っているシートの後ろで、「痛っ」という声が聞こえた。
シートの後ろから、ひょっこりと男が現れた。
「すみません運転手さん…おどかそうと思って、シートの後ろでしゃがんでいたんですよ。ホントにすみません」