ショート・ミステリーズ!短編集その2
『あんたみたいな甘ったれた男、もうウンザリなのよ!』

『甘ったれで悪かったな。じゃあな。あばよ』

わたしは携帯電話を乱暴に閉じた。

彼氏のシンジと喧嘩してしまった。といっても、彼が、仕事で失敗した言い訳をクドクドわたしに話すから悪いのだ。

わたしは、『男ならさっさと切り替えなさいよ』という意味の言葉を返したのだが、彼のプライドを傷つけてしまったようだ。

そこから、口喧嘩はエスカレートしていき、最後には互いの不満ぶちまけ大会みたいな感じになってしまった。

だけど、これでよかったのだ。こうでもしないと、彼のためにならないのだ。
< 2 / 69 >

この作品をシェア

pagetop