ショート・ミステリーズ!短編集その2
玉城は一気にまくしたてる。

「普段のお値段は2000円なのですが、福島様には特別、800円でご奉仕いたします。どうです?願いを叶えられますよ」

「800円?」

その後玉城は、このぬいぐるみが起こした奇跡について、懇々と説明し始めた。

彼の説得を聞いている間に、わたしの頭の中に、シンジの顔が浮かんでいた。

『ベルニーちゃん』。なかなか可愛いぬいぐるみである。

お店でこのぬいぐるみを買うと、おそらく800円以上はするだろう。わたしの部屋はさみしいから買うのも悪くないかな、と思えてきた。

わたしの手が、ポケットの財布に伸びた。
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