ショート・ミステリーズ!短編集その2
「ありがとうございます」

玉城は深々と頭を下げ、わたしの前から消えた。

部屋に戻り、タンスの上、MDコンポの隣にぬいぐるみを置いてみる。

2歩下がって、腰に手をあて眺めるわたし。

ちょっとセールスマンに負けてしまったという気持ちはあったけど、猫にもコアラにも見える愛くるしい顔をしている。鮮やかな水色のボディが、地味なわたしの部屋にアクセントを加えてくれている。
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