ツンデレ★カレ
空港まで軽く2時間30分と聞いていて、
桐生くんの隣ならそんなもん一瞬よ★
とか
調子ぶっこいたこと思ってたけど、
隣の桐生くんは相変わらず爆睡状態でかなりヒマ。
よしっ美紗と語らおう!


ぐりんと後ろを向いて、背もたれから顔を出す。



「みぃさあー?ヒマなんだけどー
喋ろ話そ語らお?」


「あんた桐生とイチャこくんじゃなかったの?」


アーモンドチョコレートを食べようという格好で止まったまま、あたしの憧れをさらっと言いやがった。


「どーやって寝てる人と語らうの!!バカ!」

美紗は手に持っていたアーモンドチョコレートをあたしの頭の上に器用に一粒置いた。


「あー…だろうねー
桐生がこんな早朝に起きて来たってのが奇跡だしね」

「全くだよ!」

あたしは頭の上のチョコレートを口に放り投げてバリっと噛み砕く。

「食べるんかい!」

「あたりまえよ!」


アハハと笑いあう。
こういうのはやっぱ女同士じゃなきゃできないよね、うん。
ってかウマイなこのチョコレート!!!


ってか、さっき桐生くんのお口にINしたガムはどーなってんのかな?ウン?


口に入れっぱ→喉の奥に入る→窒息→死…!


やばくね?やばくね?やばくね?やばくね?!
(ハイそこ!お前の頭のほうがやばいとか言わないの!)




「隊長!!あたしはこれから桐生亜樹を救出するという任務を遂行いたします!!」


「…は?ちょ、あんた何すん…」

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