ツンデレ★カレ
「まいか、今日の自由行動部屋で休んだら?
今桐生に会っても、辛いんじゃないの?」

ライトスタンドに表示されているデジタル時計が、集合時間5分前を表す。



「…、行くよ。ただの勘違いとかだったらあたし超痛くない?
…だからさ!」

すっと立ち上がってVサインをしてみた。

「まいか…」

「さぁさぁ、美紗!早くしないと遅刻しちゃうよ?」

隣にしゃがんでいてくれた美紗の手を思い切り引いて立ち上がらせる。


「そうだね」


鞄を持ち、部屋のドアに手を掛ける。





「…まいかぁ?」





「…っう、うぇ~っえぇぇぇんっう~」


涙が突然溢れてきた。
別に、我慢なんてするつもりはなかったけど突然せき止められていたものが大崩壊。
メイクも取れちゃうだろうし、
目だって腫れちゃうけどそんなのはどうだって良かった。
ただ、聞いて欲しい。
強がらない、素のあたしの今の気持ちを聞いて欲しい。


「まいか、辛いんでしょ。辛いならそう言いなさいよ!友達じゃんか!!
強がってるあんたなんてまいからしくない。
お願いだからちゃんと話して…
何も出来ないかもしれないけど、話を聞くだけなら出来るから!」


「みぃさぁああぁ…
辛いよ、辛すぎる。全然平気じゃない…
桐生くんにシカトされて、あたしってっただ自惚れてたんだって分かって…」


美紗はただ「うん、うん」と静かに頷いて聞いてくれる。


「…っすごいすきだから、ほんとに辛くって…」


「ちゃんとさ、伝えたほうがいいと思うよ」
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