片想い×片想い

‐香月‐

ベンチに横になりうっすら目を開けた。



ちょうどベンチがある場所が木陰になっていて、

生暖かいけど風もふいている。



今日は休日なのか、親子連れやカップルがやたら目につく。



『あ―…情けない』



自分の記憶と違う現実。




あたしの頭では整理するのが難しいのか、



それとも体が拒否る程嫌な思いをしたのか、




中々思い出すことが出来ない。




何か…大切なモノを忘れている気はするのに…




大切なモノが何なのかさえも思い出せない。




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