sunset way ‐さよならの仕方‐
第一章 始まりの教室
中途半端な転校生
「こんな時期に転校だなんて…」
転校を決意したのは紛れもなく僕だけど、正直気が進まなくなってきた。
僕が中学生だったらどんなに楽だっただろう。
一度退学してから違う学校に入り直すなんて…もっと簡単なことだと思ってたけど。
現実ってそう簡単に楽な方へは転がらない。
特に高2の夏休み明けからなんて、クラスに馴染むとかできるんだろうか…
前の学校と同じような造りの校舎を見た。
門には『西橋第一高校』と彫られた石のプレートが飾られている。
僕は今日からこの学校の生徒になった。