彼方【短編】

二人はただ栗林をクラスから孤立させたかっただけ。
そのため同じくクラスで1人だったあたしを
グループに誘った。

でも、この二人もグループの人も
あたしのことが気に食わなかっただけみたいだった。

クラスは42人。
男女の比率は同じだから女子は21人。
グループの人数は10人。
栗林とあたしを抜いたら残りは9人。
このグループには逆らえなかった……
こいつらが何をやっても
見て見ぬふり。
男子は何も気づかない。

でもあたしは何も気にしなかった。
男子とも仲は良かったし、
このグループの人たち以外とも
普通に会話もできて
仲もよかったと思う。
でもそれがあいつらは気に入らなかった。

何でもできるあたしに
屈辱を味あわせたかった。
ただそれだけ…


このときもただ会話するだけじゃなかった。

「栗林と仲良くなってきて?」

次の命令はこれ。

でも、嫌じゃなかった。
一度話して話しやすい人だと思ったし、
それにこいつらといるよりましだと思ったから。



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