また逢う日まで
「んな!?あれはあの時の!」



八雲が見たものは道に迷った時に見た牛車に乗っていた女に似てないかと八雲は頭を傾げた。


暗がりの中を目を凝らして見た髪型と同じだ。



塀の上に立っていたが背中を向けていてこちらには気づいていない様子。




月明かりではっきりとわかるがやはり髪は黒く2つに結っている。



“何でこんな場所に?まさか黒いものまで一緒なんじゃ…。”



黒いものは見当たらなかったが、息を潜めて女を見ていると女が八雲の視線に気付いたのか急に振り返り八雲と目が合った。




八雲は驚きを隠せず冷や汗が背筋を通り身動きが取れなかった。



女は八雲をジィ~っと見つめそしてニコッと笑っていきなり八雲の前から姿を消した。




八雲は辺りを見回したが誰もいないことを確認するとフゥと一息吐いて額の汗を腕で拭った。




ホッとした瞬間に目の前に突然女が現れた。
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