また逢う日まで
「ところで薩摩さん。」


「何や?」


「そういえばさっきの黒い―。」


「それは見なかったってことにしといておくれやす。そう言いましたやろ?」


八雲の言葉を遮った薩摩からは焦りの様子が伺える。


これ以上聞いても無理だと判断した八雲は


「わかりました。何も見てません。」


と素直に薩摩の言うことを聞いた。
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