また逢う日まで
「わ、笑い事ですか。何しに来たんですか?」


「そや。あんさん、部屋に戻る前に誰かに会うた?花の匂いがするんやけど。」


「花の匂い?花畑には行ってないすけど。あっ。花の名前の女の子なら会いましたよ。おとなしい感じの子だけど言うことははっきりと言う子だったなぁ。」



「ふぅん。んで、名前は?」


「えっと。確か蓮華ちゃんだったかな。花の名前の女の子なんて珍しいですよね。」



八雲が口にした名前を聞いた薩摩はピクッと眉を動かした。



「で?…薩摩さん。それを聞くために来たんですか?」



八雲が呆れた様子で薩摩に用件を聞いた。


「あぁ。何の用もあらしまへんえ。暇やったから遊びに来ただけどす。」



「何だか…。ちょっとした遊び相手にされてる気が…。」


「ちょっとどこやおまへん。思いっきり遊び相手や。」


薩摩は自信満々に胸を張って言った。


“そこは胸張って言うところじゃないと思うけどなぁ…。”
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