また逢う日まで
「遠いところからようお越しくだしゃんした。うちは皆はんを禊ます、夏澄言います。よろしくお頼申します。」


頭を深々下げて挨拶しているのは目と鼻を覆う仮面を被った夏澄だった。


白い袴を着ており杓を両手で持っている。


「あとはよろしく〜。」


「へえ。」



背格好はどう見ても夏澄の方が年上なのに態度が逆転している。


槿はさっさと洞窟を後にした。


「さて。はよ終わらしましょ。」


夏澄は槿がいなくなるのを確認して黒い影にニコッと微笑んだ。
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