また逢う日まで
「私は槿。お兄さんは?」


「俺は八雲って言うんだ。よろしくね、槿ちゃん。」


ほんわかムードで会話をしていると不意に槿が戸に視線を向けた。



「どうしたんだい?」



八雲の問いかけにハッとした様子の槿。


「まだやらなきゃいけないことがあったのを思い出したの!」


「そっか。あとは俺がやるから他の仕事をしなよ。朝ごはん持ってきてくれてありがとう。」


「うん!ありがとう。では、失礼します。」



槿はペコッとお辞儀をして部屋を後にした。



“誰かに似てたな。”



そんなことを考えながら朝食に再び手をつけた。
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