また逢う日まで
薩摩に好きにしてと言われて八雲は旅館の中をうろちょろし始めた。



バタバタ。


背後から足音がして振り返ると誰かとぶつかった。



ドタッと床に尻餅をついた八雲。


“痛いな、誰だよ。”


お尻を擦りながら八雲と同じようにお尻を擦っている人物を見る。


「いたた。すみまへん。急いでましたさかい、ぶつかってもうて。」


聞き覚えのある声。



顔を上げた人物は夏澄だった。



「あー!夏澄さんじゃないですか。お忙しいそうですね。」


「ほんまにすんまへん。今、朝ごはん用意しますさかい。」


「へ?朝ごはんならもう頂きましたよ。」


「え!?そうどすか?一体、誰が持って行ったんやろ?」


夏澄は腑に落ちない様子。
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