また逢う日まで
「槿ちゃんですよ。小さいのにしっかりした子ですね。夏澄さんの妹さんですか?」


「あっ。いや。違います。彼女が運んだんどすか。」


「うちには妹はおりまへん。一人っ子どす。八雲はんは?」


「えっ?あぁ、家も一人っ子です。」


「そうどすか。あっ。あかん!やることがまだ残ってたんやった。」


「すみません。俺が引き止めちゃってましたね。」


「いえいえ。八雲はんが気に病むことやおまへん。それに八雲はんと話してると何か懐かしい感じがするさかい、話をしたくなるんどす。ほな、うちは仕事に戻らせてもらいますけど、あんまりうろうろしない方がいいどすえ。」



“あ~あ。行っちゃった。返事する間もなく豆粒みたいに小さくなっていったよ。懐かしいかぁ。”


八雲は薩摩が忠告しても聞き入れなかったが夏澄が忠告したら素直に聞き入れて部屋へと引き返した。
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