また逢う日まで

槿夏さま

「なんやぁ。いきなり呼び出さんといてもえらえまへんか?ビックリしますやろ。」


暗闇の中に声をかけるのは薩摩一人。



誰からの返事があるわけでもなく辺りは静まり返っている。



「そんなつれないことを言うもんじゃないのぅ。」


どこからか声がした。


「まぁ。お前にとってもわしにとってもあの人間は縁が深い。のぅ、薩摩。」


「やっぱり、あんた様やったんね?しばらく静かにしてはったかと思うてたんやけど?」


暗闇に向かって薩摩は悪態を突く。


「ほほ。言うようになったんやないか。クソガキのくせにわしに楯突いたらどないになるか知っておろうな?」


「姿も見せんようなお人に言われたないなぁ。」


顔を引きつらせながら声のする方へ返事をする薩摩。

すると薩摩の視線の先で微かに何かが動く気配がした。
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