また逢う日まで
「最近、人間が紛れ込んでいることは知っておろう?」


槿夏は目付きをキツくして薩摩に問いただす。


「そうなんか?」


すっとぼける薩摩を見てふぅとため息を漏らす槿夏。



「よもや気づいてないとは言わさんぞ?わしが気づいてないとでも思うてか?」

「……何のことどすか?」


「まぁよい。いずれわしも主もあの人間に知られる時が来よう。わしは狙った獲物を取り逃がしたことは一度もなかった。あの人間以外はなぁ。またしてもあの人間に会うことになろうとは何たる運命か。今度こそ喰ろうてやるぞよ。」



ハハハと高笑いする槿夏をよそに薩摩は静かに拳を握りしめていた。
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