また逢う日まで
“何や!?何かあったん?別に焼きもちなんかやあらへんけど何やムカつくわ。”


「おふたりに何があっかは知らんけどあんまりあの女将に近づかん方がええ。」

「はぁ。忠告は素直に聞け…ですね?」

「そや。わかったらおとなしくしとき。うちが帰らせたるさかい。」


胸を張って自信満々に言う薩摩の発言に疑問が……………。


“帰らせたるってどういうことだ?”


「あのぅ。薩摩さん?質問なんですが帰らせたるってどういうことですか?俺は自分の足でここに来たんですよ?」

「無事に山を下りれるように道案内したるっていう意味や!」


顔を真っ赤にして怒鳴る薩摩。

わかったかと言わんばかりに顔をズズイッと近づける薩摩に八雲はドキドキしてしまう。


“さっきの夏澄さんといい、薩摩さんといい今日は異性と急接近する日だなぁ。”


薩摩も近くで見るとかわいい顔をしている。

夏澄が月なら薩摩は太陽に似ていると八雲は思った。

“星占いで今日は異性と急接近できる1日なんだろうか…。”

星占いなんか信じる人間じゃないがいつも以上にドキドキした1日の始まりだった。

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