また逢う日まで
ズカズカと廊下を歩いていると小さな気配が2つ。



「槿と蓮華やね?」


ピタッと歩くのを止めて振り返る。


「………姉様。」


蓮華が眉間にシワを寄せて泣き出しそうな顔をしている。


「大丈夫や。何も心配することあらへんさかい。もう少しの辛抱や。」


「でも、僅夏さまを裏切ったら…。」


槿がそっぽを向いてボソッと一言。


槿と蓮華の顔が真っ青になる。


「お前達はお前達の意志で仕えていることを僅夏さまにお伝えすればええ。ええね?」


薩摩は槿と蓮華の肩を優しくポンと叩き廊下を歩いていった。
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