また逢う日まで
「どうかしたのかえ?汗が出ておるが…。」



視線を僅夏から逸らした夏澄。


「い、いえ。何でもありまへん。バタバタしとりましたさかい、暑くて汗かいてしまとんどす。すんまへん。」



ニコッと笑って夏澄の肩をポンとたたく僅夏。



「そうじゃったか。あんまり無理しちゃいかんよ?」


「へえ。肝に命じます。」


深々と頭を下げる夏澄。


「では、中を拝見させてもらうがよいかの?」



「へえ。どうぞ。」



ニコッとした顔は崩さずに問う僅夏に夏澄は慌てる様子もなく了承した。
< 82 / 93 >

この作品をシェア

pagetop