また逢う日まで
「あんさん…。覚えてはらんのか?」



「覚えてるも何もあらへん。僅夏様が中に入ったらあきまへんか?」



“まさか、記憶がないんか?…さては、あのお人やな?”



思い当たる人物が薩摩の頭にはしっかりと存在していた。


「ええか?今から言うことを守ってくれはるか?」


「何や。いきなり真剣な顔してはって。」


「うちはいつだって真剣や。ええな?」


ふざけている様子もないため夏澄はコクッと頷く。


「よし。んじゃ、風はんを部屋へと誘導しておくれやす。その後は自分で対処しはってや!」


念を押して薩摩は姿を消した。



そして見事に薩摩の言うように八雲を部屋へと戻すことができたが、夏澄には状況がいまいち掴めずモヤッとしていた。


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