また逢う日まで
“なっ、何だ!?”


耳鳴りがしたと思ったらノイズが頭に響いた。


「逃げ…て!!早く…!何…をしてい…るの!?」


目の前にいるのは巫女装束に身を包んでいる夏澄。



「ほほほ…。わし…から逃げ…るこ…とはできぬ。」

香澄の前には1人の少女が立っていた。


「夏澄…さ…ん!」

途切れ途切れに聞こえてくる声。



「……雲はん?八雲はん!!」


薩摩の声で我に返った。


「あ……。薩摩さ…ん。」

目の前には着替え終わった薩摩が心配そうに見つめていた。


「大丈夫どす?何やえらい苦しんではったけど……。」


「だ、大丈…夫です。」


“何だったんだ?さっきのは。夏澄さんと槿夏さんの声。夏澄さんを呼んでいたのは誰だ…?”
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