チャイムが鳴るまで。
《ぁ、泣いてたこ》
《輝。》
あの低くすぎない声が頭を回る。
ずんと胸に響いて、
きゅぅっと…何だろ。
私も、いちごクリームスペシャルにすればよかった。
「あれ、輝先輩じゃん。」
『は、春樹知ってたの!?』
「知ってるも何も…水泳部のエース(?)だった人だよ。今は学校来てるかも分からないけど…」
『嘘ぉぉ!!!!』
「なんでお前知らないんだよ。」
陽介君が口をはさむ。
だってずっと別れた彼しか見てなかったし…
「何?お前輝先輩の事…?」
『ば、ばかっ…!』
「マジかよ!」
春樹は笑った。
だけど、その笑顔の奥で一瞬哀しい顔をしたのを、
出番の少ない陽介君は見た。