風を切って走れ
大きな木。その近くに小さな池もある。池の中の鯉は、悠々と池の中を泳いでいた。
遥「…私がいつまでも引きずって、悲しい顔してたら、皆もやめてっちゃう…
離れてっちゃうんだよ…ッ」
この小さな背中に、お前は今までいったい何を背負ってきたんだ?
一度も下ろすことなく…何を…
何をそんなに重いものを背負ってんだよ…!
遥「…大好きな物を、嫌いになるのは苦しいんだよ…?
だから…ッ私のせいで…
大好きなものを大嫌いにしてほしくない」
こいつのこと、俺は本当に知らない。何週間しか過ごしてないし、喋ることもなかったから。
でもこうゆう性格のやつ、何て言うか知ってるよ。
木「強がり…」
自然と声に出た。
篠木はぴくりと動く。
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