風を切って走れ










遥の声が聞こえた瞬間に京介は目を伏せ走る前の自分を思い浮かべた。









正直油断していた。


木壱がどんな強豪校にいたかは知らないけど、それでも木壱に負けるだなんてこれっぽちも考えてなかった。








だって、俺はこの学校で一番早い。

今まで誰にだって負けたことはない。









それが、自惚れと油断に繋がったのだ。










いつの間にか木壱の背中が前にあって、俺よりも早く風をきっていて…











早い…












このままじゃ…










そう思ってスピードをあげるけど木壱も追い討ちをかけるためかあげていく。






でも、油断していた最初よりは木壱に近付いた。
















でも、近付くかとかが重要なんじゃない…








まさか、まさかこの俺が…












負ける、なんて…っ
























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