風を切って走れ
歩いて、人目のつかないところで座り込んだ吏津。
その手は、自然と右足を擦っていた。
木「…はぁ…」
昔出来た古傷、それは今も吏津を苦しめているものだった。
木「…最近走ってなかったからかな」
そこまで古傷の痛みは感じていなかったが、最近走ってないせいでまた少し痛みをまた感じた。
痛みが少し引いたところで立ち上がり、グラウンドを見た。
篠木に怒られている空野。空野は耳が垂れた犬のようになっていて面白かった。
俺は一度足をさすったあと、グラウンドに向けて歩き出した。
.