風を切って走れ
歩き出していた隣のクラスの担任もびっくりして振り返る。
「な、なんだ、知り合いか!?」
遥「朝会った!!」
「そ、そうか…、えと、まあ…よろしくなー」
いろいろ注目を浴びたけど、生徒はなかったふりをして歩き出した。
てか陸上部入部希望か…
遥「も、もしかして、さっきの武瑠の言葉気にしてる!?」
?「は?」
遥「さっきっていうか…朝の!
ほら、陸上部どうたらーって言ったじゃん!」
?「あ、気にしてない。
俺は自分の意志で来た。」
遥「……っか、そっか!!
私、篠木遥!
あなたの名前は?」
木「俺は、木壱吏津。」
木壱吏津―キイチ リツ-
凛とした声が、誰もいない廊下に響いていた。
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