禁断の惨劇

『蓮のヤローは別々に先に行ってるぞ
だってよ!』


『うぃー了解!
んじゃ、駅まで行くか!』



『あのぉ…

話聞いてたんですけど…

気をつけて下さいね』

『あ!亜由美ちゃん!

久しぶりだねぇ

大丈夫大丈夫!

心配しないで!』



亜由美ちゃん…

久々に見たな。

しかし、店長の娘さんなのに容姿は店長と真逆だな。



『その…用が終わったら
また来て下さいね♪』


『おぅ!』



―…よし…行くか!








………しかし

薄暗い天気の日の駅は不気味だな。


『う~夏なのに寒いぞ
さっきまで暑かったのによぉ』


…まるで俺達が村に行くのを拒んでいるようだ。


『そういや、今日は雨降るらしいな
だから寒いんだろ』



雨か…。


『おっ、電車きたきた』



………客が少ない気が。



『中のほうが寒いって意味不明!』


『確かにな
この電車ぶっ壊すか!?』


…あ!

『おい!お前はこんな時も景色を楽しまずに
バカみたいにパソコンか!』


『仕方ねぇだろ!
村の情報集める為に必死なんだよ!』



『そうだぞ、俺の分まで
こいつには働いてもらわなきゃいかんのだ!』


『聡…殺す!!』


『冗談冗談!』



…なんか眠たくなってきたな。


『眠いのか?
着くまで長いから寝ていいぞ』


『こら!俺の話相手が寝るな!』



…眠い…二人が何を言ってるのかうまく聞こえない…。


そういや…


あの日もこんな天気だった…。
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